広島大学案内2024-2025概要版
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温度 10さんは「クォーク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。現在、クォークは物質の最小構成要素であると考えられています。このクォークとクォーク間の相互作用を担う「グルーオン」は我々の日常世界では陽子や中性子の中に閉じ込められています。ところが、高温・高密度のような極限条件では「閉じ込め」から解き放たれてクォークやグルーオンが自由に動きまわる「新しい物質」に状態が変化すると考えられています。この新しい物質を「クォーク・グルーオン・プラズマ (Quark Gluon Plasma, QGP)」と呼びます。このQGPは決して仮想的なものではなく、実際には宇宙のはじまりであるビッグバン後10万分の1秒後に存在したと考えられています。さらに驚くべきことには、地球上で人工的にQGPを作り出すことに成功しているのです。 さて、どのようにQGP生成に成功したのでしょうか。これは高エネルギー原子核衝突実験によって成されました。1970年代より一連の原子核衝突実験が行われてきました。そして2000年に米国•ブルックヘブン国立研究所にある衝突型加速器、Relativistic Heavy Ion Collider理学部大学院先進理工系科学研究科 教授結果の理解に成功し、現在では高エネルギー原子核衝突実験のダイナミクスを記述する標準的な模型になっています。 我々はこの相対論的流体模型を用いた解析をRHIC稼働前から行ってきました。衝突後に生じる粒子を流体で記述するという大胆ともいうべき模型を本気で行っているグループは世界的に見ても少数派でした。ところがRHICでの成功で一躍注目を集めることになりました。このように研究において何が成功し、何に注目が集まるかはわからないところがあります。研究の難しさであるとともに面白さでもあるでしょう。「知識はすべて実験によって検討される」ということを念頭にさらに研究に邁進したいと思っています。産学共同研究・半導体人材育成共同開発産業集積のコンサル次世代キラル半導体材料計算技術バイオ医薬品再生・細胞医療クォークとグルーオンの多体系の状態変化の様子。宇宙初期、中性子星などとも関連する。〈背景写真〉2023年11月に滞在したニールス・ボーア研究所は、現代物理学の父、ニールス・ボーアゆかりの研究所高エネルギー原子核衝突後の系の時間発展の様子時間初期宇宙臨界点?中性子星内部半導体産業技術研究所持続可能性に寄与するキラルノット超物質拠点PSI GMP教育研究センターゲノム編集イノベーションセンターカラー超伝導相?さまざまな物質を“視える化”密 度(RHIC)が稼働し、2005年にQGPの生成に成功という結論に至りました。ここでQGPの「発見」ではなく「生成に成功」という言葉に違和感を覚えた方もいるかもしれません。と言いますのも、実は我々はQGPを直接観測することはできないのです。最初に述べたようにクォークやグルーオンは通常は陽子などに閉じ込められています。そのため実験で観測されるのはすべて陽子などのハドロンや光子になります。そこで重要になるのが理論による実験結果の解釈です。つまりQGPの生成を取り入れた理論を構築し、それで実験結果が説明できるかどうかを調べます。当時さまざまな理論が提唱されましたが、特に成功を収めたのが、「相対論的流体模型」と呼ばれる理論でした。この模型によってさまざまな実験学術的に卓越した先端融合研究クォーク・グルーオン・プラズマハドロン原子核衝突スキルミオンスキルミオン(磁気構造体)(磁気構造体)タンパク質イノベーション創出半導体製造のグリーン化次世代キラル超物質材料次世代生体材料・医療機器熱平衡キラル分子核酸社会実装加速超伝導物質フリーズアウトNONAKA CHIHO専門研究分野原子核物理、ハドロン物理流体膨張ハドロン化クォーク・グルーオン多体系の状態変化技技術術・・製製品品のの創創出出ままだだ存存在在ししなないい新新たたなな100年後にも世界で光り輝く大学へ ▼▼▼世界をリードする研究者野中 千穂クォークから宇宙のはじまりを解き明かす。皆

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