●AI・データイノベーション教育研究センター●IDEC国際連携機構●A-ESG科学技術研究センター●Town & Gown未来イノベーション研究所●PSI GMP教育研究センター●ダイバーシティ&インクルージョン推進機構●瀬戸内CN国際共同研究センター※HiSIM(Hiroshima-University STARC IGFET Model )は、広島大学が半導体理工学研究センター(STARC)と共同で開発した回路設計用トランジスタモデル●●●●●●●14禽と聞いて何のことなのか、すぐにわかる人は少ないかもしれません。家禽とは、その肉、卵や羽毛などを人が利用するために飼育される鳥のことです。代表的な家禽は、ニワトリ、ウズラやアヒルですね。特に家禽は、宗教的な制約が少ない動物種であり、世界中で飼育され、その生産物が利用されています。私たちの研究室では、家禽の中でも最も身近な、ニワトリやウズラを研究対象に、その免疫や生殖機能に着目した研究を進めています。中でも、最新のバイオテクノロジーであるゲノム編集技術とデータサイエンスを融合した研究手法により、人と鳥に優しい世界をリードする家禽研究を展開しています。では以下で、その研究の一端を紹介しましょう。 鶏卵は、私たちの食生活の中で欠かすことのできないものとなっています。一方で、鶏卵は日本人のアレルギー発症原因食物の第1位となっており、鶏卵が使われている食品を食べることができない人が多くいます。見た目では、鶏卵が使われているとはわからない麺や蒲鉾などの練りものやワクチンの生産にも使われていて、アレルギーを起こす人もいます。そこで私たちは、広島大学で開発されたゲノム編集技術を使って、鶏卵の中のアレルギーを引き起こすタHiSIM※研究センター両生類研究センタートランスレーショナルリサーチセンター防災・減災研究センター脳・こころ・感性科学研究センターゲノム編集イノベーションセンターデジタルものづくり教育研究センターンパク質(アレルゲン)の一つ「オボムコイド(OVM)」を作らないニワトリを作出しました。消費者の皆さんが気になるこの鶏卵の安全性は、最新のデータサイエンスを取り入れて、証明しています。 このような長年にわたる研究では、別の重要な点にも気づかされます。これが研究を行っていく上での面白い点でもあります。一つは、動物福祉の考え方です。鶏卵を生産する会社では、雌は必要ですが、雄は不要です。そのため、現在、雄のヒヨコは殺処分が行われています。私たちは、この対策としてニワトリの雌雄の産み分け技術や、受精卵の早期雌雄判定技術の開発に取り組んでいます。ここでも、ゲノム編集技術を用いた基礎研究の蓄積や工学的な検知技術とAIを組み合わせた分野を超えた研究を展開しています。そしてもう一つ重要な点が、感染症対策です。2022年度は全国で高病原性鳥インフルエンザが発生したため、1,700万羽以上の家禽が殺処分されました。この影響で鶏卵不足が発生し、価格の高騰につながっています。私たちの研究室では、この問題解決のため、ニワトリの免疫システムの解析を通して、高病原全国共同利用施設放射光科学研究センター光速に近い電子が電磁石によって進む方向を変える時に「放射光」が発生します。この光は強力で、しかもさまざまな波長を含むことから「夢の光」と呼ばれています。本センターの研究成果は『Nature』や『Science』などのトップジャーナルに掲載されています。性鳥インフルエンザに立ち向かうための研究成果も蓄積中です。 海水温の上昇をはじめ、急激に変化する地球環境に対応するため、食糧生産においては従来型の品種改良ではなく、遺伝子組換えなどのニューバイオテクノロジーを用いた育種が必須となる時代が到来しつつあります。消費者も、科学的な知識をもとに技術の仕組みや安全性を理解し、判断する力が求められます。広島大学でも、消費者の皆さんに知見を深めていただく機会を提供していますので、ぜひご活用ください。生物生産学部大学院統合生命科学研究科 教授〈背景写真〉研究室で誕生した雛。ニワトリの卵は、産卵後7日目には痛覚が発達し始めるとされる。ふ化後の殺処分禁止だけでなく、卵の段階での選別でも苦痛を与えないよう、早期の雌雄判定技術の開発が求められている。ゲノム編集とは遺伝子をハサミのようなツールで切断する技術プリマスロック種2系統の品種でOVM遺伝子を持たないニワトリ(黒色と茶色の雛)を作出。将来的にオリジナルの品種として育種するために、異なる品種で作製した。ロードアイランドレッド種ヨーロッパでは動物福祉の観点から、採卵用ニワトリの雄雛の殺処分を禁止する方向へ動いており、卵の段階で雌雄を見分ける技術開発が猛烈に進んでいる。堀内教授は「鳥類は性染色体の構成が哺乳類と異なっているため、まだ基礎研究の段階だが、将来的には雌雄産み分けの技術も確立したい」と話す。アレルゲンを低減した卵(右)。左は通常の卵。採卵した日付を卵に書き入れ、研究室内のふ卵器で温めてふ化させる。HORIUCHI HIROYUKI専門研究分野応用動物生命科学、免疫生物学100年後にも世界で光り輝く大学へ ▼▼▼世界をリードする研究者 特色ある研究施設堀内 浩幸家家禽のデジタル育種で人と鳥に優しい未来を切り開く。
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