▶ 総合研究大学として▶ 多様性と国際性に富む大学として07P23 教育(人材育成)P27 研究P19 教育(国際性)大学の最も重要な役目は、自由に世界に羽ばたける教育・研究環境を提供し、志の高い学生を育てることにあります。本学では2017年度からスポーツ、芸術、科学、ビジネスなど世界で活躍されているリーダーを招いた講演会「世界に羽ばたく。教養の力」を実施しており、2018年度からは必修科目「大学教育入門」の一環として、全学部の新入生が必ず2回聴講しています。2024年度は、ノンフィクション作家の堀川惠子氏、株式会社リコー代表取締役会長の山下良則氏、脳科学者の茂木健一郎氏、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏をはじめ、12人の方々に講義を行っていただきました。専門的な分野の学識を深めるのと同時に、自身の枠に捉われることなく幅広い教養を高めること、トップランナーの生き方やスピリッツに触れることで湧き上がる感情などを次なるアクションにつなげてほしいと願っています。また、我が国のデジタル戦略に迅速に貢献できる、ソフトウェアからハードウェアまでを包括した他地域にない高度情報人材の育成にも取り組んでいます。2018年度に全国に先駆けて情報科学部を設置学長就任以来、平和を希求し、チャレンジする国際的教養人の育成を掲げ、国際規模で世界の平和に寄与できる人材の育成を重要視してきました。この理念の下、様々な国籍や文化的背景、発想を持ち、意欲や好奇心に満ちた人々が世界中から集うキャンパスづくりに力を入れており、多様性と国際性に富む学びの環境を整えています。これにより、2024年5月時点で世界96カ国・地域から1,831人に及ぶ留学生を受け入れ、さらに世界に広がる海外拠点は2024年1月時点で世界14カ国・地域の22拠点を誇ります。直接現地で各大学の学長と懇談することが重要と捉え、自らエジプトやメキシコ、リトアニア、ドイツ、アメリカなど各国を精力的に訪問し、拠点設置や協定の締結を行いました。本学では、多様な海外留学プログラムを設け、それぞれのレベルやニーズに応じた数多くのプログラムで、一人でも多くの学生が海外を経験できる機会と質の高い教育を提供しています。さらに、語学力向上支援の取り組みにより、英語コミュニケーション能力を示すTOEIC■スコアは、海外大学に行ける基し、2023年度には70人の定員増、2025年度からは情報科学と半導体関係の学部・研究科のさらなる定員増を予定しています。世界の有力大学であるアリゾナ州立大学、パデュー大学と緊密に連携し、多分野でDXを推進する人材育成も目指しています。米国半導体大手マイクロン社と本学を含む日米11大学による「半導体の未来に向けた人材育成と研究開発のための日米大学パートナーシップ(UPWARDS for the Future)」にも参画し、新たな半導体の研究開発や人材育成を、国境を超えた産学連携で行っています。これから社会に出ていく学生たちを待ち受ける未来は混沌としていると言わざるを得ませんが、そういう時代だからこそ、専門知識とともに幅広い教養を身に付けた人材を世界は待っています。難しい社会課題に対処するには、how(どのように解くか)だけでなく、日頃からwhy(なぜそのような問題が生じるのか)を自ら問い、歴史的な背景なども含め様々な角度から考える習慣を身に付けてほしいと考えています。本学の「持続可能性に寄与するキラルノット超物質拠点」は、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に、「ゲノム編集先端人材育成プログラム」は、卓越大学院プログラムに選ばれました。いずれも中国四国地区での採択は広島大学のみです。世界中の気鋭の研究者が集合し、地球を救う最先端の研究開発に取り組んでいます。また、2023年度に採択された文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」では、「放射光による物質の視える化技術を核とした半導体・超物質及びバイオ領域融合型産業集積エコシステムの実現」に取り組んでいます。本事業により、世界唯一のキラルノット超物質研究をはじめ、放射光を活用した半導体、バイオなどの研究開発にさらに弾みがつくものと期待するとともに、広島大学の拠点の強みを活かし、10年後に「人・知・資源の好循環」のハブとなる異分野融合エコシステム「Hiroshima Research & Innovation Valley」を形成することを目指しています。準とされる730点以上の学生が学部生全体で24%、医・歯・薬学部では45.9%に到達しています。学生たちには、海外のネットワークを活用し、本学ならではの留学プログラムなど、様々な機会を使って自身の可能性を広げ、世界をその目で直接見てほしいと思っています。2014年度に採択された文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)」トップ型(タイプA)は、2023年度で10年を迎えました。これまで教職員の多様化、学生の語学力向上及び海外派遣人数の拡大、世界トップレベル大学との双方向の研究者交流・学生交流などを通じて本学の国際化を強力に推進してまいりました。10年に渡る徹底した取り組みにより、留学生及び海外経験を得た日本人学生を国内外へと輩出し、グローバルな大学としての認知度を向上させています。さらには、本学の国際化を通じて、我が国の高等教育の国際競争力向上や優れた能力を持つ人材を育成する環境基盤の整備、国全体の国際化の推進に貢献しています。President Message▶ 人材育成について
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