39本院は、2022年4月に「インドネシア医療関連共同研究講座」を設置し、インドネシアの医療水準向上に貢献するためのニーズ調査を行ってきました。同年10月、本学とインドネシア保健省、住友商事インドネシアの3者で、本学の医師による医療活動に関するMOU(覚書)を締結しました。さらに、2023年12月にはインドネシアのヘルミナ病院グループと腎移植の協力に関する合意書に調印。2024年以降、ヘルミナの拠点病院での腎移植の手術環境整備に向けて、医師の教育や設備の導入を進めていきます。インドネシアにおいては、海外同窓生ネットワーク組織(チャプター)と連携し、大学病院発の新たなビジネスモデルの確立を目指して、派遣医師による現地での医療支援活動を通じた技術指導・提供など、医療診断技術の向上や医療人材育成を目的とした「包括的医療支援事業モデル」の構築に取り組んでいます。広島大学病院は「全人的医療の実践、優れた医療人の育成、新しい医療の探求」という理念の下、最善の医療の提供・優秀な医療人の育成に尽力しています。また、本院は広島県唯一の特定機能病院であり、高度な医療サービスや先進的な医療サービスの提供を通じ、医療の充実・発展に寄与してまいります。DMAT(災害派遣医療チーム)JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)リハビリチームJMAT(日本医師会災害医療チーム)DICT(災害時感染制御支援チーム)災害支援ナース災害登録派遣薬剤師インドネシア・ヘルミナ病院グループと腎移植協力で合意広島大学病院北海道大学東北大学千葉大学東京医科歯科大学金沢大学 名古屋大学京都大学広島大学九州大学慶應義塾大学チーム構成医師、看護師、臨床放射線技師、薬剤師など医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など医師、看護師、薬剤師など1回医師、看護師2回1回看護師薬剤師1回3回3回腎移植プロジェクトの担当医師らタイプA採択大学能登半島地震 医療チーム派遣状況(2024年8月時点)派遣回数文部科学省の「高度医療人材養成拠点形成事業−タイプA」に採択2024年8月、本学は文部科学省の「高度医療人材養成拠点形成事業−タイプA」に採択されました。全国から13件の応募があり、内10件が採択され、中国四国地域では唯一、本学が選ばれました。審査では、独創性のある研究を高い水準で継続しようとする姿勢や、多様な教育プログラムの構築計画などが高く評価され、2024年から2030年までの6年間、毎年8,000万円が補助されます。本事業は、医師の働き方改革を進め、医学生や医学系大学院生が大学病院で臨床実習や研究に参画できる仕組みを整えることを目的としています。また、教育研究支援者を活用し、臨床教育・研究の知識や技能に優れた医師を育成し、日本の医学・医療の発展や研究力強化に寄与します。本学は独自のキャリア支援である「SPARK! Plan for MED」を通じて、人材育成に取り組みます。さらに、放射線医学、再生医療、がん治療、ワクチン拠点などの強みを活かして国際的な連携を進め、中国四国地域の拠点としての役割を果たし、国際的なレベルの医療系人材を輩出していきます。広島大学病院の医療チームが、能登半島地震被災地の最前線で支援本院は、2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地に様々な医療チームを派遣し、現地での支援活動を行いました。1月11日に派遣された第1回目のDMATチームは、危機医療センターの西田 翼 医師を中心に、5人1チームで編成され、5日間に渡り被災地の病院や避難所で活動しました。余震が続く中、雪や冷え込みが厳しい状況でしたが、医療を提供するとともに、困りごとを聞いて行政につなげるなど被災者に寄り添った支援を行いました。国際医療ネットワーク推進と国際医療貢献活動報告広島大学病院最善の医療の提供・優秀な医療人を育成する
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